ウェアラブル端末の普及とスマートフォンの機能が高度化したことで、昨今のモバイルアプリにできる事は大幅に広がりました。特に健康に関連したアプリ需要の伸びはここ数年大きく、多くの企業や医療機関、大学等の公的機関が参入を試みています。
しかし一般的なモバイルアプリとは異なり、ヘルスケア分野において収集する個人データはデリケートなものがほとんどです。よってデータの収集や取扱い、保存方法が大変重要視され、プラバシーを徹底して守りながら運用する必要があります。こういったデータ管理は本分野のアプリ開発において大きな障壁となることが多く、準拠すべきガイドラインなどを見過ごしてしまうこともあるようです。さらに、集めたデータの活用においても処理方法、保存形式、可視化手段など考慮することが多く、ヘルスケアアプリの開発経験がないと苦労してしまうことも多々あります。
では、実際にヘルスケアアプリはどのような場面で利用されているのでしょうか?
医療現場を支援
患者の自己管理と診療への活用
医療におけるアプリの活用は、日常生活における患者データの収集、チャットを通した患者の健康状態の把握、医師とのオンライン診療や服用薬の管理など多岐に渡ります。特にアプリを通して収集できるデータは画像、動画、質問表、活動記録、自己評価、ウェアラブル端末との連携による位置情報、脈拍、睡眠時間等があり、研究や診療への応用可能性が無限大と言えます。
また患者としても医師とのチャット、配信される教育資料の購読、服用薬の管理とリマインダー、日々のデータ入力によるより正確でスムーズな診察の実現など、多くのメリットがあります。
個人データの取り扱い
一方で、個人の医療データを取り扱うという特性上、通常のアプリと比べてより高い機密性が求められます。データ送信の際は勿論、サーバーへの保存、必要に応じた抽出、患者情報へのアクセス権の管理など、システムの根幹にも関わってくる部分ですので、アプリ開発の初期段階で最も時間をかけるべき点の一つです。
体調管理とフィットネス
歩数計などで自己管理
生活リズムや食生活の改善などを通して、よりヘルシーなライフスタイルを求めるユーザーが、今日格段に増えてきました。中でも自己チェックリスト記入、写真撮影による食生活管理、血圧や脈拍のチェック、移動距離や歩数計測などを利用するアプリは人気があります。
iOSとAndroid対応でトレーニングとフィットネス
ヘルスケアの中でも特に伸び率の高い自主トレ型フィットネス/トレーニングアプリを筆頭にリアルタイムレッスン、日々のタスクチェック、メンバー同士のチャット、複数プログラムからの選択などが次々と開発されています。これらはユーザーのモチベーション維持によるアプリ使用の継続を主目的としており、30日ごとにトロフィーを獲得するマイルストーン型や、フィットネスを継続することでマスコットを育てる育成型といった機能も最近は増えてきています。
また、市場はiOSとAndorid端末に大きく分かれ、各OSに合わせてアプリ開発をする必要があります。アプリを2つ作ることは工数の増加に直結してしまいますが、多くのユーザーを獲得するためにはなかなか避けられないのが現状です。近年ではこのソリューションとして、1つアプリを作成するだけで両OSに対応するクロスプラットフォーム開発というものが定着しつつあります。
Fitbit / Apple watchとの連携
ランニングアプリなどで確認できる脈拍や心拍数、ランニング距離などの生体データや位置関連データは、FitbitやApple watchといったウェアラブル端末との連携が不可欠です。中でも位置情報の取得はアプリストアから収集許可をもらうために一手間必要なので、しっかりと事前準備をする必要があります。
ヘルスケアアプリ開発事例 – 摂食障害
大阪公立大学大学院医学研究科 神経精神医学 所属
山内 常生 医師
大阪公立大学医学部附属病院にて摂食障害専門外来を担当。摂食障害を中心に精神疾患に関する生活環境上の問題と心理的ストレスについての研究を行っている。
所属学会・資格:
日本精神神経学会認定 精神科専門医・指導医、精神保健指定医、日本摂食障害学会 評議員
アプリを診察/研究に取り入れたきっかけ
摂食障害の診療では、患者さんの症状の変化や生活状況を把握することが何より重要になりますし、これらの情報を研究に用いることで病気の解明がすすむと期待されます。そこで、患者さんが日々の症状や活動を詳細に記録できて、担当医がいつでも状態をチェックできるようにするために、アプリを活用したいと考えました。
アプリ導入による効果と実績
いつも携帯しているスマートフォンで簡便に詳細な記録ができることから、たべ活ちゃんは患者さんに好評です。写真画像を含んだ記録ができたり、記録にコメントやいいね!を送って患者さんとコミュニケーションできたりと、アプリでこそ実現できたことが多くあります。記録はデータとして集計できるため、患者さんの状態を客観的に判断する助けにもなっています。
モバイルアプリと連動するウェブ版アプリの活用
患者さんが日々送信してくる大量の情報をパソコンの大きな画面で一覧表示したり、必要な情報だけを抽出してグラフ表示したりと便利な機能を活用することにより、短い時間で的確に患者さんのことが把握できています。また、入力状況の確認や資料の配信設定、ユーザーの詳細設定など様々な管理機能が用意されているのも大いに役立っています。
メディア掲載事例
- NHK大阪 かんさい熱視線「見過ごされる”摂食障害”〜当事者たちの告白〜」
- 日本経済新聞 朝刊(医療・健康面)「心の不調、アプリでケア AIで回答、自己チェック効果も」
- NHK NEWS おはよう日本「コロナ禍で過食・拒食症状が悪化 苦悩する摂食障害患者」
- NHK教育 Eテレ チョイス「@病気になったとき」テーマ「摂食障害」
- ラジオ大阪OBC 「荒川哲男の元気だしてゆこう!てっちゃんねる」テーマ「摂食障害」
ヘルスケアにおけるFluxweaveの強み
他にも自宅における検査キットを通したオンライン診療など、ヘルスケア分野のアプリ開発において実績豊富な私たちですが、本サービスの中でも特に有用な機能をご紹介します。
1.情報処理/分析が得意
アプリ内で計算、グラフ化は勿論のこと、必要なデータを目的に合わせて柔軟に処理し、分析する事ができます。ユーザーの入力データを基に自動で複雑な作業ができるので、リアルタイムで患者やトレーニーのデータ把握を実現します。
2.情報/権限管理設定が柔軟
アメリカのHIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)に準拠しており、扱いの難しい個人情報に対しても、万全のセキュリティを提供します。そして、日本国内においても豊富な運用実績があります。
また、情報閲覧権限や管理者仕様、アクセスレベル等を、お客様の構築されたい組織体系に基づいて構築することができます。
3.オンラインメッセージング
リアルタイムチャット機能により、ユーザー同士やグループ内の会話をすぐにご利用いただけます。医師と患者間での体調チェックや問診、トレーニーからトレーナーへの質問、ユーザー同士の交流の場として大いにご利用下さい。
4.プッシュ通知機能
ユーザーの行動に紐付いた通知や、定期的なリマインダー、投稿などをスムーズにプッシュ通知としてアプリユーザーに知らせることができます。お薬の服用時刻や、トレーニングセッションの開始、ニュースやお知らせを素早くユーザーに伝えましょう。
5.ウェアラブル端末等と連携可
外部の検査キットや、ウェアラブル端末等とのスムーズな連携を実現します。患者の血液検査や脈拍測定、心拍数などをリアルタイムで把握しましょう。
6.デスクトップ対応
デスクトップ版を使用することで、アプリでは難しい大画面での操作、管理者としてアプリの設定変更などが可能です。医師の診療時画面や、管理者専用画面などとして大いにご利用いただけます。
また、Fluxweaveが提供するアプリ開発サービスは、リーズナブルで明快です。
さらに、30分間の無料ミーティングを通してお客様のアプリ構想を理解し、以下のようなご相談に乗らせていただくことも可能です。
- アプリ構想から実現に向けたコンサルティング
- 開発の大まかな流れ
- お客様のアプリにFluxweaveがあっているのか
- アプリ開発にかかる予想期間